[名勝負編]


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[G5] 1989年パ・リーグ終盤のペナント争い

まず、例のダブルヘッダーのスコアから: 平成元年10月12日 西武ライオンズ球場 西武−近鉄ダブルヘッダー
<第1試合> 西武−近鉄24回戦 西武13勝11敗

近 000 104 010|6
西 130 010 000|5
  高柳、佐藤秀、池上、○加藤哲6勝2敗1S、S吉井5勝5敗20S−山下
  郭、●渡辺久15勝11敗、石井−伊東、仲田

 本塁打:辻3号(2ラン 高柳)、ブライアント46号(ソロ 郭)、47号(満塁 郭)、48号(ソロ 渡辺久)

<第2試合> 西武−近鉄25回戦 西武13勝12敗
近 204 330 110|14
西 200 000 020| 4
  ○阿波野19勝8敗、木下−山下
  ●高山5勝4敗、西本、工藤、松沼博、山根−伊東、仲田、大久保

 本塁打:ブライアント49号(ソロ 高山)、リベラ24号(ソロ 高山)、鈴木19号(2ラン 西本)、20号(ソロ 工藤)、清原35号(2ラン 木下)

このダブルヘッダーの直前のゲーム差は次の通りです。以下、ゲーム差は 首位とのそれを表します。
10/12のダブルヘッダー直前まで
    試 勝 敗 引 勝率  勝 敗 ゲーム差
L  127 68 51  8 .571   0  0 ---
Bu 126 68 53  5 .562   0  0 1.0
Br 126 69 54  3 .561   0  0 1.0
実は、このダブルヘッダーの前にブレーブスが勝っていれば、この時点で ブレーブスは70勝53敗3分の勝率.569となり、ブレーブスにマジック4が点 灯していたのです。すなわち、残り4勝すれば西武全勝でも近鉄全勝でも 逆転できなくなっていました。
この後の試合日程は、
        10/12        10/13    10/14    10/15
西武  近鉄(ダブル)                     近鉄
近鉄  西武(ダブル)           ダイエー  西武
OX    ロッテ(ダブル) ロッテ            ダイエー
となってました。
10/12 のダブルヘッダーをライオンズ連勝(近鉄連敗)、ブレーブスが1勝1分の場合、
    試 勝 敗 引 勝率  勝 敗 ゲーム差
L  129 70 51  8 .579   2  0 ---
Br 128 70 54  4 .565   1  0 1.5
Bu 128 68 55  5 .553   0  2 3.0
となり、ライオンズの優勝でした。
また、このダブルヘッダーを西武連勝(近鉄連敗)、ブレーブス連勝としても、
    試 勝 敗 引 勝率  勝 敗 ゲーム差
L  129 70 51  8 .579   2  0 ---
Br 128 71 54  3 .568   2  0 1.0
Bu 128 68 55  5 .553   0  2 3.0
で、近鉄の優勝可能性はなくなり、西武にマジック1(形式的にはマジック1だ が、西武が最終戦の近鉄戦に引き分けるか、ブレーブスが1試合引き分けでも優 勝)が点灯します。
いずれにしても、ダブルヘッダーが始まる前、ブレーブスには自力優勝の目は なかったわけです。ブレーブスにとって最も望ましかったのは、西武−近鉄の ダブルヘッダーが近鉄の1勝1分で終わってくれることでした。その上でブレー ブスが連勝すれば、
    試 勝 敗 引 勝率  勝 敗 ゲーム差
Br 128 71 54  3 .568   2  0 ---
L  129 68 52  9 .567   0  1 0.5
Bu 128 69 53  6 .566   1  0 0.5
となり、マジック2が点灯していたはずなのです(マジック対象が西武でも近鉄 でも同じ)。
実際には、ダブルヘッダー終了後、
    試 勝 敗 引 勝率  勝 敗 ゲーム差
Bu 128 70 53  5 .569   2  0 ---
Br 128 71 54  3 .568   2  0 0
L  129 68 53  8 .562   0  2 1.0
で、近鉄にマジック2が点灯しました。次の日、ブレーブスがロッテに敗れた ので、近鉄のマジックが1となり、近鉄はダイエー戦に勝ってすんなり優勝 しました。
実際に優勝決定試合となった次の近鉄−ダイエー戦で、もし近鉄が敗れていれ ば、マジック1は消滅しませんが、
    試 勝 敗 引 勝率  勝 敗 ゲーム差
Bu 129 70 54  5 .565   2  1 ---
Br 129 71 55  3 .563   2  1 0
L  129 68 53  8 .562   0  2 0.5
となり、
近鉄○−●西武で、ブレーブスの勝敗に拘らず近鉄優勝
近鉄△−△西武で、ブレーブスが勝てばブレーブス優勝、引き分けか負けだと近鉄優勝
近鉄●−○西武で、ブレーブスが勝てばブレーブス優勝、引き分けか負けだと西武優勝
となっていました。
しかし、実際には近鉄がダイエーを破って優勝しました。 その後、近鉄は、消化試合となった最終戦の対西武戦で、5点差を追い付いて延 長戦に持ち込みながら、勝ち越し点を奪われ渡辺智に完投を許して敗れました。 それでも、ブレーブスが勝ったので、西武は3位に終わり、例の堤発言「やりた ければ、どうぞ」を招きました。
最終結果は次の通りです。
    試 勝 敗 引 勝率  勝 敗 ゲーム差
Bu 130 71 54  5 .568   3  1 ---
Br 130 72 55  3 .567   3  1 0
L  130 69 53  8 .566   1  2 0.5

この年のパリーグ優勝争いは
 オリックスにマジック8点灯→マジック消滅→オリックスにマジック6点灯
 →マジック消滅→近鉄にマジック2点灯→オリックス敗戦で近鉄マジック1
  →近鉄勝利で優勝
でした。
オリックスブレーブス球団創立以来開幕8連勝、西武がオリックスに11ゲーム差 から逆転首位、西武がダイエーに8−0から大逆転負け、と、実に面白いペナン トレースでした。

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