[雑学編]


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[M4] 遊撃手はどうして「ショートストップ」って言うの?

遊撃手は二塁と三塁の間の深い位置で守備をしているのに、 なぜ「ショートストップ」と呼ばれるのですか?

◇ 投手の後ろに位置していた内野手という説
初期の野球では、1チームの人数は一定ではありませんでした。 (1845年に New York の Knickerbocker Base Ball Club の Alexander Cartwright が、 現在の野球の基になるルールを作った時点でも人数はまだ不定でした。 1857年に改定されたルールから9人というのが明記されています。)
1830年代ごろに、10人から12人程度で行なわれていた野球での守備の内分けは、 投手が1人、捕手が1人または2人、内野手が5人、外野手が3人または4人でした。 内野は、一塁手、二塁手、三塁手、がそれぞれのベース付近に位置してました。 投手の後ろの両サイド、ダイヤモンドの内側に、内野手がもう二人位置していました。 その内野手のことを、打球を短く止める役割の意味で short fielder または shortstop や shortman などど呼んでいました。
その後、人数が9人に減らされる時に、投手の後ろの内野手が1人だけになり、 shortstop という名前で固定されました。 なお、この時点では1人になっても守備位置は依然として投手の後ろでした。
その後に一、二、三塁手がベースを離れ、shortstop が二塁手と三塁手の間に 位置する現在の形になっても、名前だけはそのまま残ったというわけです。

◇ 浅い外野に位置していた選手という説
Total Baseballでは、ショート(現在と同じ位置:投手の横にいるプレイヤーとは 別らしい)は内野というより浅い外野と考えられていたそうです。 当時のボールは軽すぎてあまり遠くまで投げられなかったので、 外野と内野の中継役が必要だった…というようなことが書いてあります。
Total Baseball や The Dickson Baseball Dictionary によれば、 元々は short fielder で、それが 1860年代にその役割にふさわしい 名前である shortstop に変わったそうです。後者によれば、 shortstop という言葉が最初に使われたのは 1860年で、short field という用語は 1854 年の Knickerbocker Rules で使われているそうです。 残念ながら Total Baseball には 1854年の Knickerbocker Rules の全文 は載っていないので確認できません(意味は二三塁間の現在のショートが 守る位置とのこと)。
Total Baseball によれば 1849年か1850年に "Doc" Adams という人が、 最初に現在のショートの位置を守ったそうです。 ただ、その役割は shortstop ではなくて、あくまでも short fielder だったそうです(と、ここまでは、現在のショートの定位置につく選手の話 だと思います)。
1846年 6月19日の試合の様子を描いた絵(版画?)によると、二三塁間 わずかに内にはいった場所に「前進守備」のショートらしき人がいるので、 short field は塁間の線より外を指すものと思われます。


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