[雑学編]


[↓ページ最後]

[M5] 順位表の見方について


◇ 勝率で順位を決定するリーグ戦の場合
順位表の例をもとに説明します。

                                首位との すぐ上との
順位 チーム   勝  負  分  勝率  ゲーム差 ゲーム差
1    Apes     58  38   2  .6042   -           -
2    Beagles  61  40   0  .6040   -           -
3    Cats     62  41   0  .602    -          0.0
4    Doves    40  60   1  .400  20.0        20.5
4    Eagles   42  63   0  .400  20.5         0.5
6    Falcons  41  62   3  .398  20.5         0.0

・順位の決定
プロ野球パ・リーグや大リーグの公式戦では、順位は勝率で決定します。 引き分けは計算から除きます。 大リーグは原則として試合の決着がつくまで延長戦を行ないますが、 同点のまま雨天コールドゲームになった場合などに引き分けがあります。
勝率  = 勝数 / (勝数 + 負数)
引き分けが計算から除かれるため、試合数が同じでも(勝数+負数)が同じとは限らず、 そのため勝数が一番多くても勝率が一番高いとは限りません。
また、上の例の Doves と Eagles のように、勝率が同じならば勝数、負数に関係なく 同じ順位になります。
同じ順位のチームのどれを順位表で上にするかというのには、決まりはありません。 ゲーム差(後述)、並ぶ直前の順位、勝ち数、試合数、前年の順位など、 表の作成者がそれぞれ独自の基準を設けて決めています。
公式戦終了後に同率1位のチームが複数ある場合、 日本プロ野球ではプレーオフを行なって優勝チームを決定します。 ただしこれまで一度も行なわれたことはありません。 2チームの場合は、3試合制(2試合先勝)で行ないます。 3チームの場合は、別途協議することになっています。
2002年のセ・リーグはこれに加えて、勝率1位のチームより 2位のチームの勝利数が上回った場合もプレーオフを行なって優勝チームを決定します。
その他で順位をつけることが必要な場合は 前年の順位で便宜上順位を決めることがあります。 例: 翌年の開幕試合の開催権やドラフトの指名権など。
・貯金、借金
あるチームの (勝数 − 負数) のことを、マスコミ等では比喩的に プラスの場合は「貯金」、マイナスの場合を「借金」と呼んでいます。
・ゲーム差
ある2チームに注目した時、どれだけ差があるかの目安となるものです。
順位が上のチームをA、下のチームをBとした場合(同じ順位ならどちらでもよい)、 ゲーム差は以下の式で計算します。
ゲーム差  = ((Aの勝数 − Bの勝数) + (Bの負数 − Aの負数)) / 2
          = ((Aの勝数 − Aの負数) − (Bの勝数 − Bの負数)) / 2
          = (Aの貯金 − Bの貯金) / 2
Aチームが勝ってBチームが負けると、1ゲーム差が開きます。 Aチームが負けてBチームが勝つと、1ゲーム差が縮まります。 両方が勝った、あるいは両方が負けた場合はゲーム差は変わりません。
日本で使われている順位表には、首位チームとのゲーム差を表記する、 すぐ上のチームとのゲーム差を表記する、の二種類の方式が混在しています。
・勝率とゲーム差の関係
順位は勝率で決定、ゲーム差は目安です。
勝ち負けの合計が同じ場合は、ゲーム差は順位を表すことになります。 大リーグは通常最終的な勝ち負けの合計が試合数と同じになるため、 これにあてはまります。
一般には、試合消化数や引き分けの数が違うために、勝ち負けの合計が同じには ならず、ゲーム差は目安に過ぎません。以下のような現象が起こることがあります。
(1)ゲーム差が0であっても勝率が同じとは限りません。 上の例の Beagles と Cats、Eagles と Falcons を参照。
(2)勝率が同じでもゲーム差が0とは限りません。 上の例の Doves と Eagles を参照。
(3) 勝率とゲーム差で逆転現象が起きることもあります。 上の例の Apes は貯金が +20 で、Beagles と Cats は貯金が +21 です。 Apes と Bengals のゲーム差、Apes と Cats のゲーム差を計算すると それぞれ -0.5 になるので、Apes がリードされていることになります。 この場合も順位は勝率で決定するので、Apes の順位が上になります。 この場合順位表のBチームのゲーム差の欄には -0.5 とは書かれずに 例のように - (横棒)が書かれていることが多いようです。

◇ 勝利数優先で順位を決定する2001年セ・リーグの場合
2001年は日本プロ野球のセ・リーグは引き分けは再試合を行なわず、 以下の順で順位の表記順を決定していました。 公式戦終了時で全チームの消化試合数は同じなので、(3)はシーズン中のみです。
(1) 勝利数(多い方が上)
(2) 勝率(高い方が上)
(3) 消化試合数(少ない方が上)
(4) 前年の順位(上位が上)
公式戦終了時点で勝利数一位のチームとは別に勝率一位のチームが出た場合に限り、 3試合制(2試合先勝)のプレーオフを行なって優勝チームを決定することに なっていましたが、該当チームはありませんでした。
その他の記述について規定はないので、ゲーム差やそれに代わるものを 表記するのかどうかは順位表を作る側にまかされました。 しかし途中の順位と最終順位への有利・不利とが一致しない現象が数多く生じ、 またゲーム差以上に適切な目安はほとんど示されなかったため、 実態を示さない順位表ばかりでした。

[↑ページ先頭]
[雑学編]