[日本プロ野球編]


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[Q3-3] ドラフトで指名した選手への交渉有効期限は?

現在の規定は以下の通りです。
・日本野球連盟(社会人野球)所属の選手、および高校生は
ドラフト会議の翌年1月末日まで。(1997年までは高校生は翌年3月末日まで)
・その他はドラフト会議の翌年3月末日まで。
以前は翌年のドラフトの前々日までだったので、社会人野球に所属している選手が ドラフト指名されてからもう1シーズンプレーをして、翌年の秋に社会人野球の シーズンが終了した後で入団するケースがありました。

◇ 江川事件の「空白の一日」とは?
江川選手は昭和52年にクラウンからドラフト1位指名を受けていましたが、 入団しませんでした。しかしこの交渉権は昭和53年当時は翌年のドラフト会議の 前々日までが有効となっていました。 (なお昭和53年のドラフト会議前にクラウンから西武になっていました。)
昭和53年のドラフト会議前日に、巨人が江川選手と契約を結んだと発表しました。 巨人はドラフト前日は、どの球団も交渉権を持っていないから自由に交渉可能 と解釈したのです。
鈴木セ・リーグ会長は、次のように見解を示し、この契約を承認せず却下しました。 「交渉権の有効期限をドラフト会議の前々日としているのは、ドラフト会議 前日はその準備にあてることを想定したもので、入団交渉をする日ではない。 また交渉権を持たない球団が交渉できるという意味でもない。 さらに江川選手は自由契約選手でも、ドラフト会議前日にドラフト外での 入団交渉ができる選手でもない。ドラフト会議を経て入団交渉をすべき。」 巨人側はこれを不服として提訴。その年のドラフト会議も欠席。 これを受けた当時の金子コミッショナーの裁定は、巨人側の提訴を棄却、 巨人との契約は無効、ドラフト会議で1位指名した阪神の交渉権が有効としました。
しかしその直後、巨人と阪神に対してトレードの案を示し、両チームがこれを 受け入れて、江川投手は一旦阪神と契約、巨人の小林繁投手とのトレードに よって巨人に入団となったのです。 ([O2]も参照)。
その後規定が現在のものに変わるまで「空白の一日」は残っていましたが、 この事件が前例となったためにこの日を強引に利用する球団はありませんでした。


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