指名打者(DH)は投手の代わりに打撃を行なう打者です。
野手の代わりにDHを使うことはできません。
試合前にDHの打順を指定し、試合中その打順は動きません。
試合の途中からDHを使うことはできません。
試合の途中でDHが無くなる場合もあります(後述)。
◇ 投手やDHの選手を交代してもDHを継続して使うことができる場合
・守備時に投手が別の投手に交代した場合。
・攻撃時にDHの選手に代打や代走を出した場合。
交代で出た選手が、そのままDHを引継ぎます。
交代選手は必要になった時点で交代を告げればかまいません。
DHの選手が退場になった場合、打席途中や走者の場合はすぐに交代選手が必要ですが、
それ以外は次に打順が回ってくるまでDHが空き状態になります。
なお、パ・リーグでは1991年から2000年の間、DHの選手が退場になった場合は
代打や代走が必要でなくても直ちに交代選手をDHに補充することになっていました。
また、相手チームの先発投手が退かない限り、先発のDHの選手は少なくとも一度は
打撃を完了しなければ交代できません。
◇ 試合中にDHが無くなる場合
以下の選手交代を行なった場合は自動的にDHが無くなり、
1人以上の選手を試合から退き、投手を含めた9人で打順を組みます。
(1) 守備時にDHがなくなる場合
元のDHの選手を含め、選手交代前から打順に入っている選手が
その後も引き続き出場する場合は、その打順は変わりません。
選手交代前に投手だった選手がその後も引き続き出場する場合(投手とは限らない)や、
同時に新たに出場することになった選手の打順は、
一人だけなら空いている一つの打順に自動的に決定し、
二人以上ならそれぞれどの打順に入るかを監督が指定します。
攻撃時にDHの代打や代走で交代出場していた選手もDHの選手と同じ扱いです。
(基本形)
以下のケースは矛盾しない限り複合することができます。
同時にそれ以外の他の選手の交代も行なうこともできます。
・(a) DHの選手が投手になった
投手が退く。
・(b) DHの選手が投手以外の守備位置についた
他の野手が1人退く。投手が空いた打順に入る。
・(c) 投手が他の守備位置についた
DHの選手と他の野手が1人退く。元の投手と新たに登板する投手が空いた打順に入る。
・(d) 他の守備位置の野手が投手になった
DHの選手と元の投手が退く。新たに出場する野手が空いた打順に入る。
・(e)上記以外でDHを放棄し投手が打順に入った
DHの選手が退く。投手が空いた打順に入る。
(複合例)
・(a+c) DHの選手が投手になり、投手が他の守備位置についた
他の野手が1人退く。元の投手が空いた打順に入る。
・(b+c) DHの選手が投手以外の守備位置につき、投手が他の守備位置についた
他の野手が2人退く。元の投手と新たに登板する投手が空いた打順に入る。
・(b+d) DHの選手が投手以外の守備位置につき、他の守備位置の野手が投手になった
元の投手が退く。
・(c+d) 投手が他の守備位置につき、他の守備位置の野手が投手になった
DHの選手が退く。元の投手が空いた打順に入る。
・(b+c+d) DHの選手が投手以外の守備位置につき、投手が他の守備位置につき、他の守備位置の野手が投手になった
他の野手が1人退く。元の投手が空いた打順に入る。
(2) 攻撃時にDHがなくなる場合
・登板中の投手がDHの選手の代打に出た(DHの打順以外では打てない)
DHの選手が退く。投手はそのままその打順に入る。