次の場合です。いずれもその塁か走者にタッチして審判にアピールすれば
その走者がアウトになります。
・フライが捕らえられた後、走者が帰塁できなかった場合。
フライが捕球されたため帰塁しようとしている走者をアウトにしようとする場合は
アピールは必要なくタイミングだけでアウト・セーフが判定されます。
いずれの場合もこのアウトはフォースアウトではないことに注意。
・塁を空過した場合。
アピールされる前に逆走して塁を踏み直せばアウトにはなりません。
ただしボールデッドの場合、その次の塁を踏んでしまうと戻って踏み直すことは
できません。また後ろの走者が得点してしまうと踏み直すことはできません。
塁が詰まっている状態で最初の塁を踏み忘れてアピールアウトになった場合は、
フォースアウトと同様の扱いになります。
・走者が一塁をオーバーランまたはオーバースライドした後、直ちに帰塁しない場合。
これは打者が一塁へ達した後のアウトとみなされます。
また負傷して戻れないような場合はアウトにされることはありません。
・走者が本塁に触れず、しかも触れ直そうとしない場合。
ベンチへ戻ろうとする走者を追いかけて行く必要はなく、ボールを持って
本塁を踏んでアピールすればアウトにできます。
満塁の三塁走者で、後ろの走者がアウトになっていない場合は、
フォースアウトと同様の扱いになります。
◇他の走者の得点は?
アピールアウトが第一・第二アウトの場合は、他の走者の進塁や得点は
そのまま認められます。
アピールアウトが第三アウトの場合、他の走者の得点は以下のようになります。
(1) アピールアウトがフォースアウトか一塁に触れるまでのアウトの場合
アウト成立の時期に関係なく、他の全ての走者の得点は認められません。
(例)一塁走者の二塁踏み忘れ、打者走者の一塁踏み忘れ、など。
(2) アピールアウトがフォースアウトではない場合
・アウトになった走者より前の走者
そのアウトが成立するより前に本塁を踏んでいれば得点になり、
踏んでいなければ得点になりません。
・アウトになった走者より後ろの走者
アウトの成立の時期に関係なく、得点は認められません。
(例)二死満塁でホームラン、打者走者が一塁を踏み忘れアピールアウト。
第三アウトがフォースアウトなので全ての得点は認められない。
(例)二死満塁でホームラン、一塁走者が三塁を踏み忘れアピールアウト。
第三アウトはフォースアウトではない。アウトより先に本塁を踏んでいた
三塁走者と二塁走者の得点は認められ、アウトになった一塁走者と
それより後ろだった打者走者の得点は認められない。
(例)二死満塁から二塁打、三塁走者が本塁を踏んだ後、二塁走者が本塁を踏む前に、
一塁走者が三塁を踏み忘れてアピールアウト。
第三アウトはフォースアウトではない。
その時点で本塁を踏んでいた三塁走者だけが得点。
(例)一死一・三塁で外野フライ、三塁走者は正規にタッチアップしてホームイン、
その後飛び出していた一塁走者が戻れずアウト。
一塁走者のアウトはフォースアウトではないので、三塁走者の得点は有効。
◇「4アウト」とは何のこと?
第三アウトが成立した後、他に有利なアピール(それが成立すると得点が取り消される)
があり、審判員がこれを支持した場合には、第三アウトが置き換えられ
そのアピールアウトがそのイニングの第三アウトになります。
元の第三アウトがアピールアウトの場合も同様です。
(例)一死一・三塁から各走者はスタート、フライが捕球され二死。
三塁走者は帰塁せずそのまま本塁を踏んだ後、ボールが一塁へ送球され
帰塁できなかった一塁走者がアウト。このアウトはフォースアウトではないため、
この状態のままなら三塁走者の得点が認められる。三塁走者をアピールアウトにして
第三アウトを置き換えれば得点が取り消される。
◇ボールデッド時のアピールは?
アピールは原則としてボールインプレイ中に行なわなければなりません。
一旦ボールデッドになった場合は、投手がボールを持って投手版に立ち、
球審がプレイを宣告した直後にアピールを行なうことになります。
柵越えホームランはボールデッドになるので、全ての走者が本塁へ達し
次のプレイがかかった後でアピールが行なわれます。
サヨナラの場面ではそのままでは次のプレイが行なわれないので、
ボールデッド中でもアピールすることができます。
◇アピール権消滅時効は?
アピールは、投手が打者へ次の1球投じるか、塁上の走者へ牽制球を投げるなど
のプレイをするまでに行なわなければなりません。
イニングまたは試合終了時は、守備側チームの投手および内野手が
ベンチまたはクラブハウスに向かうためにフェア地域を離れるまでです。