イチローがオリックスで首位打者を獲得し始めた頃に、疑問に思ったのですが、
打った時に右足がバッターボックスからホームプレート側へはっきりと出ています。
また1999年6月12日に、阪神の新庄が敬遠の投球を打ってサヨナラ安打にした時、
左足がホームプレートを踏むほど外へ出ています。
バッターボックスから足が出た場合、アウトにはならないのですか。
ルールには「打者が片足または両足を完全にバッターボックスの外
に置いて打った場合、打者は反則行為でアウトになる(規則6.06(a))」とあり、
足の一部が出ていただけではアウトになりません。
ライン上はバッターボックスの中と規定されているので(規則6.03【付記】)、
ラインを踏んでいるのであれば足が出ていることにはなりません。
またホームプレートを踏んでいるかどうかは関係なく、
ラインから足が完全に出ているかどうかだけで決まります。
以上のことから、イチローも新庄もラインを踏んではいるものの
ラインの外に足は完全に出ているわけではないので、アウトにはなっていません。
◇ 空振り、見送り等の場合
例えば、ボール球を空振りしそうになったがこらえてその拍子にボックス
から出てしまったり、思わず空振りしたような光景をよく見かけますが、
規則6.06(a)【原注】に、「この項は打者がボックスの外に出てバットにボ
ールを当てた(フェアかファウルを問わない)とき、アウトを宣告されること
を述べている」とあるので、罰則はありません。
◇ スクイズ等で打者がボールをはずされた時に跳んでボールをバットに当てる
規則6.06(a)【原注】に、「打者は打者席から跳び出したり踏み出したり
して投球を打つことは許されない」とありますが、実際にはジャンプする
時点で両足がバッターボックスの中にあれば、ボールがバットに当たった
後にバッターボックスの外に出ていても反則にしないことになっています。
◇ 打者の足がバッターボックスから完全に出て、バットにボールが当たった場合
通常は打者はアウト(反則打球)、走者は元の塁に戻ります。
スクイズ等で三塁走者が本塁へ向かっている場合に限り、三塁走者がアウト、
他の走者は元に戻り、投球はノーカウントにして打者の打撃を続行します。