強いゴロを捕った野手のグラブにボールがはさまって取れなくなり、
その野手がボールが挟まったグラブごと一塁に投げるというプレーが
見られることがあります。これはルール上許されているのでしょうか?
まず、打球や送球に対してグラブを投げることは 規則7.05(c),7.05(e) により
反則ですが、それ以外にグラブを投げることは禁止されていません。
よって、ボールが挟まっているグラブを投げること自体は問題ありません。
問題はそのグラブを野手が捕ったことが、通常の送球を捕球したことと
同等であるかどうかという解釈の問題になります。
規則 2.15 では「キャッチ(捕球)」を以下の通り定義しています。
「野手が、インフライトの打球、投球または送球を、
手またはグラブでしっかりと受け止め、かつそれを確実につかむ行為」
ボールが挟まったグラブを受け取った野手は、グラブはつかんでいますが、
送球であるボール自体をつかんではいません。
以前の日本ではプロ・アマ合同規則委員会で、
「ボールが挟まったグラブを野手が捕っただけでは捕球とはみなさない。
ただしグラブの中のボールをもう一方の手で触れれば捕球とみなす。」
という取り決めがなされていました。
(ちなみに、ボールが挟まったグラブをはめても捕球とみなしていました)
ただし日本プロ野球やMLBでは、ボールが挟まったグラブを野手が捕っただけで
ボール自体に触れたりつかんだりという行為がないのに、審判がアウトをコール
している例が見られ、それらは特に問題視されていませんでした。
2007年からは日本プロ・アマ全ての解釈をMLBと統一し、
「ボールが挟まったグラブを野手が捕っただけでも捕球とみなす。
そのグラブを持って塁や走者への触球すれば正規のプレイとなる。」
という解釈になりました。