野球記録関係の本を読んでいたら、『完全試合は、安打、四球、死球、
失策、野手選択、暴投、捕逸、ボーク、打撃妨害、走塁妨害がなく、
1人の走者も許さないとき成立する』とありました。さて、平凡なファウ
ル飛球を野手が落球して失策が記録されたが、結局その打者を打ち取って、
27人で抑えたような場合、完全試合になるでしょうか。
「安打、・・・がなく」かつ「1人の走者も許さないとき」が条件なのか、
「安打、・・・がなく」が「1人の走者も出さない」ということを説明して
いると解釈するかで事情が変わってきます。
また、完全試合というものが、投手に記録されるのか、チームに記録され
るのかによって違ってきます。後者なら、チームとして失策が1つあるので
完全試合とは認められなくなりますね。ただし、継投による無安打無得点
試合(ノーヒットノーラン)を記録に残さないことを考えると前者と採る
解釈も考えられます。
そこで、セントラル野球連盟(03-3572-1673)に電話して聞いてみました。
ルール委員のある方の話をまとめると次のようになります。
「1994年の槙原の完全試合に関連して、この種の質問の電話が何件かあっ
たが、ルールとしては決まってない。もしそれに該当するケースが出てき
たら公式記録員だけじゃなく会長など上の方とも相談して決めることにな
るだろう。だから現在は完全試合になるのか、完全試合ではないけど投手
としては完全試合と同等ということになるのか、決まってない」
さらに、「投手としては完全試合と同等」とは詳しくはどういうことかと
尋ねると、未だ決まってないからあくまで私見と断った上で、「投手と野
手の記録としては完全試合ではないが、投手としては27人抑えており完全
試合と同等という意味である」との答が返ってきました。
またこれとは別に、パシフィックリーグ記録部からいただいた情報では、
「途中、邪飛の失策があっても完全試合は成立することが、
1981年のセ・パ記録部申し合わせ事項で確認されている。」
ということになっているそうです。
以上のことから、日本プロ野球では、
「ファウルフライを落して失策がついても完全試合は成立する」
としてよいことになります。