[ルール編]


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[Q1-5] 投手の反則行為とボークについて


◇ ボークとは?
走者がいる場合に投手が行なった、投球および牽制球などの塁への送球上の 反則行為です。
・「反則投球」をした。
(1) 投手板に触れない投球
(2) 打者が打席内で十分に構えていない時に投球(クイックリターンピッチ)
(3) 規定された投球動作に違反した投球 違反かどうかは明確に線引きできるものではなく、判断するのは審判です。 (走者をごまかすような動作は厳しく取られるようです) 規定の表現が変わらなくても、審判の取り決めで解釈を厳しくするようになり、 それまで認められていた動作が違反になるようなことがあります。
・投手板に触れて、投球に関連する動作を起こしたが、途中で止めた。
・投手板に触れて、一塁へ偽投して、実際には送球しなかった。
投手板を外しての一塁への偽投、投手板に触れていてもいなくても二、三塁への偽投 ならかまいません。
・投手板に触れて、塁に送球する前に足を、直接その塁の方向へ踏み出さなかった。
三塁へ偽投し振り向きざま一塁へ送球する場合は、投手板を外す必要があります。
・投手板に触れて、必要ないのに走者のいない塁へ送球したり、送球するまねをした。
走者がその塁へ向かっている場合は、走者をアウトにするために必要な送球なので ボークにはなりません。
・投手板に触れて、ボールを落とした。
走者がいない場合、ボールがファウルラインを越えた場合は投球の扱いになります。
・打者に正対しないで投球した。
・投球板に触れずに投球に関する動作をした。
・不必要に試合を遅らせた。
走者が塁を離れていないのに野手へ送球することも含まれます。
・ボールを持たずに投手板に立ったり、またいだり、投球するまねをした。
・正規の投球姿勢をとった後で、ボールから一方の手を離した。
実際に投球したり、塁へ送球する場合を除きます。
・故意四球の時にキャッチャーズボックスの外にいる捕手に投球した。
・セットポジションの場合、完全に静止しなかった。
・三塁走者がスタートしていたときに打撃妨害があった([Q1-13]参照)

◇ ボークの場合の処置
・基本的にはボールデッドになり、各走者は一個進塁します。打者はそのままです。
・ボークとなったプレーと連続して、暴投や牽制球の悪送球(野手の受け損ねを含む)
があった場合は、走者は危険を賭して余分の塁を狙ってかまいません。 次の塁から先へ進もうとした時点でプレイはボークと関係なく続けられます。
・打者が安打や失策などで一塁に進み、他の全ての走者も一個の進塁をした場合、
ボールデッドにならずにプレイはボークと関係なく続けられます。 走者が詰まっていて反則投球が四球目に当たった場合もこれにあてはまります。

◇ 同じ投球でボークと打撃妨害が起きたら?
ボークを優先的に適用して投球は取り消しとなります。 よって打撃妨害の処置([Q1-13]参照)もありません。 ただし打者と走者が一個以上進塁した場合は上記の通りプレイは続けられます。
1999年は攻撃側が不利にならないように場面によってはボークを取り消し、 打撃妨害を適用することになっていました。 しかし適用が複雑化したり、他のルールとの整合性に問題があったりしたため、 混乱を避けるため2000年から元に戻りました。

◇ 走者がいない場合に反則行為を行なった場合は?
・それが「反則投球」だったらボールになります。
ただし、ボークの場合の処置と同様、打者が安打や失策などで一塁に進んだ場合は そのままプレイは続けられます。
・それ以外は罰則はありません。

◇ その他の投手の禁止事項と罰則
・投手板を囲む18フィートの円内(マウンド)で手を口や唇につける。
寒い日に両チームの監督の同意があれば、手に息を吹きかけることは許されます。 違反するとボールが宣告されます。違反にも関わらず投手が投球をして、 打者が安打や失策などで一塁に進み、他の全ての走者がアウトにならなかった 場合はプレイは続けられます。 日本では1997年までは違反しても何も罰則はありませんでしたが、 1998年からは警告が発せられボール交換になります。
・ボールに細工をする。
ボールや手に唾液をつける、ボールに異物をつけたり、傷をつけたりする、 すべすべにする、ざらざらにする、泥をつける、素手以外のものでこする、など。 ロージンバッグの粉を手以外の場所につけるのも禁止されています。 これらは警告が発せられ、繰り返すと退場です。 投球はボールになります。打者が安打や失策などで一塁に進み、 他の全ての走者がアウトにならなかった場合はプレイは続けられます。 それ以外の場合、プレイを生かすこともできます。
・異物を身体につけたり持ったりする。
これは退場になります。


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