[記録編]


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[Q2-3] 暴投、捕逸、野手選択と失策は違うのですか?

失策、暴投、捕逸、野手選択はすべて別物です。 暴投と捕逸を合わせて「バッテリーエラー」と言うこともありますが、 記録上は失策とは区別します。
・失策(エラー)
アウトになるはずの打者や走者を生かしたり、 走者に余計な進塁を許すようなミスプレイをしたり、 ファウルフライを落として打者の打撃の時間を延ばした野手に記録されます。 打撃妨害や走塁妨害により打者や走者を生かした場合は、 妨害をした捕手や野手に失策が付きます。 ただし妨害がなくても同じ結果の場合は失策を付けません。 緩慢なプレイや判断ミスはミスプレイには含まれず、失策は付きません。
・暴投(ワイルドピッチ)
投球が悪く、捕手が普通の守備行為では処理できなかったために 走者を進塁させた投手に記録されます。
・捕逸(パスボール)
投球は悪くなく、捕手が普通の守備行為で処理できるはずの投球を 処理できずに走者を進塁させた捕手に記録されます。 ただし第三ストライクを捕球できず、送球して打者や走者をアウトにする間に 他の走者が進塁した場合は捕逸はつけず、送球の間の進塁として扱います。
・野手選択(フィールダーズチョイス)
フェアゴロを扱った野手が一塁に投げる代わりに先行走者を アウトにしようとする行為を指します。 内野ゴロで一塁走者を二塁で封殺する行為も野手選択です。
(1) 広義の野手選択 先行走者がアウトになったかどうかにかかわらず、この送球行為を選択したことに 対して「野手選択」を使います。記録上の用語としてはこちらの意味になります。 打者走者は一塁へ達したのは野手選択による、という扱いになります。 また他の走者をアウトにしようとする送球の間の進塁も、 野手選択の間の進塁として扱います。
(2) 狭義の野手選択 一塁に投げていればアウトを取れたのに、先の塁に投げたが間に合わず、 走者を全て生かしてしまったような場合に使います (球場で Fc などの判定マークが出るのはこのような場合です)。 これは野手の判断ミスですが、記録上はエラーではありません。
各記録の定義では、それぞれをどう扱うかが決められています。
打者の記録に関しては、失策や野手選択で一塁に生きても打数が増える だけです(犠打、犠飛の場合を除く)。出塁の扱いにはなりません。 ただし、野手選択で一塁に生きる間の得点は打点がつきます。 失策の場合も、無死または一死のときは、失策の間の得点に打点がつく こともあります。([Q2-8]参照)
また、暴投や捕逸の間に振り逃げで出塁しても、打者の記録は三振に変 わりありません。その間に得点があっても打点はつきません。([Q2-8]参照)
自責点計算上は、失策や捕逸のための失点には自責点はつきません。 暴投や野手選択には自責点免除の恩恵はありません。
また、失策は野手の傷で、守備率を下げ、連続守備機会無失策を中断する 要素になります。 しかし、暴投、捕逸、野手選択は守備機会に数えないので、 守備率の計算とは関係なく、連続守備機会無失策の記録も中断しません。
また、ボックススコアでは暴投をした投手、捕逸をした捕手、 失策を犯した野手は記録しますが、野手選択をした野手をいちいち記録しません。


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