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◇ 同一イニングに2人以上の投手が出場した場合の注意
走者を残して投手が交代した場合は、その走者の数だけ前の投手に責任がある、 というのが原則です。すなわち、リリーフ投手は、アウトカウントを引き継ぎ、 走者は、なしの状態から責任をもつものとします。
(1)救援投手の出した走者が得点したのに、前の投手に自責点がつくのは?
回の途中で走者を残して退いた場合、残された走者の数が問題であって、 走者が誰であったかに拘る必要はありません。
救援投手に対した打者の打球が、野手の選択守備で前の投手が残した走者 をアウトにしたために、塁に出た打者が得点した場合にも、残した走者の 数までは前の投手の失点(失策、捕逸がらみでなければ自責点)となります。
(例) 投手Xが四球の走者Aを残して投手Yと交代。Bの打球がAを二塁に 封殺した後、C二塁打でB得点。D,E凡退。この場合、Bは投手Xの自責点。
(2) 打者の打席の途中で投手が交代した場合の処置は? 四球以外の打撃結果は、全て救援投手に記録がつきます。 したがって打者が四球以外の理由で一塁に生きたり、アウトになった場合は 救援した投手の責任とします。
四球で出塁した場合は、交代したときの ストライク-ボール のカウントによって、 どちらの投手に四球の記録がつくのかが決まります。
・前の投手に四球が付く: 0-2,0-3,1-2,1-3,2-3
・救援投手に四球が付く: (0-0),0-1,1-0,1-1,2-0,2-1,2-2
(3) イニングの途中で交代出場した投手は、その回の交代前に起こった 失策や捕逸の恩恵は受けられません。 交代後に失策や捕逸によらない走者を出せば自責点の対象になります。
チーム自責点は投手の交代に関係なく一つのイニングを通して計算しますが、 投手個人の自責点は個別に計算します。 このため、投手個人自責点の合計がチーム自責点より多くなることがあります。
(例)二死無走者からエラーで走者が出塁。ここで投手Xから投手Yに交代。 Yがホームランを打たれる。
エラーがなければ点がはいっていないはずなので、チームの失点2、自責点0。 X投手が投げている時に出たエラーの走者が得点したので、X投手の失点1、 自責点0。Y投手にエラーは関係なく、自分が打たれたホームランに対して 責任があり、Y投手の失点1、自責点1。
(4) 97年までは失策で出した走者を残してリリーフ投手と交代しても、 前任投手に自責点がつく特殊な場合がありましたが、 1998年からは自責点にはならなくなりました。 (例)投手X、失策で一塁に生きた走者Aを残してYと交代。 B四球後、Cの打球でAを三塁に封殺、D単打でB得点。E,F凡退。
この場合、以前の解釈では、Bは四球で出塁、野手選択の間に二塁に進塁、 安打によって得点したので自責点の対象。投手Xは走者一人分の責任がある、 ということで、投手Xの自責点になっていました。
しかし1998年からは投手Xは交代時には自責点の対象でない走者一人分の責任 であったことを考慮し、自責点の対象とならない走者は先行する走者に入れ替わる という解釈になり、Bの得点は投手Xの自責点にならない失点ということになります。
以前は失策で出塁したAと入れ替わったCが自責点の対象でない走者という解釈でしたが 上記の解釈により、Cは投手Yが出した自責点の対象の走者ということになります。
すなわち、二人以上の投手が登板したイニングの自責点は、 (1)まず、それぞれの投手の失点を調べる。 (2)各失点について、その得点した走者の責任を持つ投手が、その回を最後ま で投げていたと仮定して、その失点がその投手の自責点かどうか決定する。 という一連の作業により決定されます。

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