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[Q2-5] 勝利投手、敗戦投手の決め方を教えてください

1人で投げ切った場合はその投手が勝利投手、敗戦投手になります。 以下は2人以上の投手が投げている場合について説明します。

◇決勝点
勝敗の決した試合において、勝ったチームの「最後の勝ち越し点」、 つまり「最後に同点またはビハインドの状態からリードを奪う事になった得点」 のことを、このFAQでの説明上「決勝点」と呼ぶこととします。
・最初のリードをそのまま保って勝った場合、先取点が決勝点になります。
(例) Aチームが初回にあげた1点目が決勝点。

A 200 000 000|2
B 000 000 000|0

・途中で同点や逆転があっても経過にとらわれず最終的なリードで決勝点を決めます。
(例)Aチームが8回にあげた5点目が決勝点。
A 000 020 030|5
B 000 103 000|4

・決勝点は最終的に相手の得点を上回ることになった得点とは必ずしも一致しません。
(例)Bチームが終盤追い上げて1点差に迫ったので、最終的に相手を上回ることに なったのはAチームの5点目ですが、Aチームが5回にあげた2点目が決勝点。
A 000 020 030|5
B 000 100 003|4

・本塁打などで一気に2点以上リードした場合も、リードとなる得点が決勝点。
(例)逆転サヨナラ満塁ホームランにより以下の状況で勝った場合、 最終的なリードとなる1塁走者の得点が決勝点。
A 000 000 002 |2
B 000 000 004X|4


◇ 敗戦投手
投球回数に関係なく、決勝点となる失点の責任投手が敗戦投手となります。
回の途中で走者を残して退いた場合、その後の投手の任務中に前任投手の失点が 記録されることがあるのは、前項[Q2-4]で述べた通りですから、決勝打を浴びた 投手が敗戦投手にならないこともあります。
(例)同点の9回裏、投手Aは先頭打者を歩かせてBと交代。 投手Bがサヨナラ本塁打された場合、決勝点となる得点は投手Aが許した 四球の走者なので、敗戦投手はAになります。

◇ 勝利投手
以下の手順で勝利チーム側から勝利投手を一人決定します。 いずれの場合も決勝点が入る前に降板していた投手は対象になりません。
(1) 先発投手が勝利投手となる条件は、
・登板中に決勝点が入る
・5イニング以上投げる(ただし5回で終了した正式試合に対しては4イニング)
6回突入以降コールドとなった場合は、ホームチーム、ビジターチームを問わず、 5回を投げきっていることが条件です。 なお、オールスターゲームやオープン戦ではこの最低イニングの条件がなく、 救援投手と同等の扱いとして後述する(3)の方式で決定します。
自軍の攻撃中に投手が代打や代走と交代し、次の守備で降板することが 決定している場合も、次の守備で救援投手が登板するまでは登板中として扱います。 つまり攻撃が始まる前には同点あるいはビハインドであったが、 その回に自軍が勝ち越すか逆転した場合には勝利投手の権利があります。
勝利チームの先発投手が勝利投手でない場合、決勝点以降に登板した救援投手が 1人だけならその投手が勝利投手に決定します。 救援投手が2人以上の出た場合は次のように決めます。
(2) 先発投手の登板中に決勝点が入ったが、先発投手が5回 (ただし5回で終了した正式試合に対しては4回)までもたずに降板した場合は、 救援投手のうちリードを保つのに最も有効な投球を行ったと 公式記録員が判断した投手が勝利投手になります。
日本の判断基準は投球回数が優先され、最も投球回数の多い投手および それと投球回数の差が1イニング未満の投手が候補になり、 その中で投球内容を判断して決定します。 最も投球回数の多い投手と他の投手の差が1イニング以上あれば、 その投手が自動的に勝利投手になります。
(3) 救援投手の登板中に決勝点が入った場合は、原則としてその投手が 勝利投手になります。 ただしその投手の投球回数があまり長くなく、続いて出てきた救援投手の内容が 効果的だったと判断した場合は、その救援投手が勝利投手になります。
日本の判断基準では2005年から、投球回数が1回未満かつ登板中に得点を許した投手は 原則として勝利投手になれず、その後に登板した投手の中から勝利投手を決定します。
2004年までの判断基準は投球回数が優先され、続いて出てきた救援投手の中に 1イニング以上多い投手がいた場合は、その救援投手の中から 勝利投手を決定していました。

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