10回表、先頭の岩鬼が死球で出塁、殿馬の秘打「ハイジャック」で無死一二塁、
山岡バント失敗。山田内野安打で一死満塁。
微笑スクイズを試みるも小フライ。不知火、これをダイレクトキャッチ。
一塁に送球して山田アウト。これで3アウトのはずなのに、投球と同時に
スタートを切った岩鬼の得点が認められてしまいました。
この状況を理解するにはアピールアウトの[Q1-4]を参照してください。
ポイントは以下の点です。
(1)一塁走者山田のアウトはフォースアウトではないので
それまでに本塁を踏んでいた岩鬼の得点は認められている
(2)フライが捕られたので岩鬼は三塁へ戻らなければならないが
アウトにするためにはアピールが必要
(3)アピールアウトを第三アウトと置き換えて得点を取り消すことが可能
(4)アピールの権利には時効がある
このケースは(1)の通り第三アウトがフォースアウトではないので、
既にホームを踏んでいた三塁走者岩鬼の得点は、その時点では認められています。
ここで(2)の通り三塁走者に対してアピールをすればアウトにでき、
得点を取り消すことができました。
この場合は(3)のように岩鬼の第四アウトを山田の第三アウトと
置き換える形になります。
しかしこのケースでは守備側が三塁走者の得点に気づいたのは
投手と内野手がベンチに引き上げた後でした。(4)の通り既にアピール権が
消滅しており手遅れで、岩鬼の得点がそのまま確定してしまいました。