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白昼夢(第2話)



「遅いなあ…」
 窓の外はもう赤く染まってる。
 しばらくすると、紺色が赤色を塗り潰して、どんどん暗くなっていくんだろうな。
「…もう!」
 おにいちゃんが悪いんだからね。
 早く帰って来ないから。
 だからこんな事しちゃうんだからね。
「おにいちゃんの匂いがする…」
 ちゃっかりとおにいちゃんのベッドの中に潜り込んでる私。
 さっきまで自分のベッドにいたの。
 でも、昼間の事思い出すだけで落ち着かなくなって、…その…我慢出来なくなって、おにいちゃんのベッドに潜り込んでるの。ちゃんと部屋には「寝てるから起こさないでね by 葉月」ってかけておいて、お母さんにも「今日はもう寝るから」って言ってある。
「驚くよね、きっと」
 さっき部屋に下着も置いて来ちゃった。
 バスタオル1枚…これもおにいちゃんと部屋が隣り合ってるから出来るんだよね。そうじゃなきゃいくらなんでもばれちゃうもん。そのバスタオルも今は外しちゃってる。
 昨日は薄暗かったから、葉月の事、ちゃんと見せられなかったけど、今度はちゃんと電気も付けてるし……あ、や、やっぱりちょと恥ずかしいかな。でも、おにいちゃんだからいいもん。もう葉月の全部…触られちゃってるから。
 うわー、顔が熱くなってきちゃったよぉ。
 のぼせちゃいそう。
 おっきな枕に顔を伏せる。
「ふぅ…」
 素肌に触れるお布団と、柔らかい枕の感触が気持ち良い。ここでおにいちゃんがいつも寝てるんだなあって思うと、もっと、ずっと…いいの。
「同じお布団なのに、なんでこんなに気持ち良いんだろ?」
 おにいちゃんの匂いに包まれてると、身体全部がドキドキドキドキしてくる。。
「…おにいちゃん」
 言葉にしてみた。
 今の気持ち。葉月の胸の中を。
「あ…」
 ビクンって…熱い…何か…震えだしてる。身体中、ふるふるって。
 や、やだ。止まらない…。
 どんどん熱くなってく。
 葉月の大事な所もすごく熱くなっちゃった。
 思わずもじっと太股を擦り合わせる。
「うわ…もうこんなに」
 さっきは我慢出来た。
 ちゃんとおにいちゃんに触ってもらうんだからって。
 もうひとりエッチしないんだって。
 でも、このままじゃ…。
「…ぁ…ふぅ…」
 おかしくなりそう。
 ……ん。
 …そ、そうだよね。
 ちょっと…だけ。
 ほ、ほらお布団に付いちゃうといけないから。
 拭うだけ。
 うん、そうだよ。
 だからいいの。
「……ぁ」
 ティッシュごしでもぬるりとする感触が指に伝わる。太股までこんなになってるなんて。と、とにかく急いで拭かな……あぅっ。
 小指とティッシュがほんの少しだけ触れた。
 葉月の大事なところに。
 たったそれだけなのに。
「…い…いや…」
 頭の中で一生懸命「触っちゃ駄目!」って言ってるのに、手が離れなくなっちゃった。ティッシュごしでもふるふるしてるのがわかる。熱いのをどんどん溢れさせながら。
 もっとって言ってる。
 さっきよりももっと強く触ってほしいって、身体が訴えてる。
「でも…」
 ・
 ・
 ・
 くちゅ…。
 水蜜の粘りつくような音が耳に届いた瞬間、私の手は勝手に動きだしていた。
「…ぁん…い…ぃ…」
 ティッシュはもうぐっしょりと濡れちゃってる。丸めてくずかごに放り込む。もう止まらない。
 人差指でそっと擦り上げる。
「あ……やぁ…」
 自分でも何言ってるのかわかんない。
「ぁぅ…はぁ…」
 気持ち良くて、どんどん頭の中ぼーっとしてくし、息も激しくなってく。
 どうして?
 いつもよりずっとずっと気持ち良いよぉ。
 そんな考えもどんどん遠くに消えてっちゃう。
「あ、ああ…ぅ…」
 声が大きくなっちゃうから、思わずうつ伏せになって顔を枕に埋めた。
「んぅ…ぁぁ…」
 それでも声が漏れちゃう。そんな自分の声を聞いてたら、いつの間にか人差指と中指で大きく前後に擦り動かしてた。
 すっごく厭らしい音がしてる。
 くんっと自分でもわかるくらいの匂いもしてる。
 どんどん溢れてきてる。
 指を伝って、手首全部濡れてるんだもん。
 おにいちゃんの布団まで伝って、きっとおっきな染みになってるよ。
 でも、もういいの。
 おにいちゃんのお布団に、葉月の匂いを染み付かせちゃうんだから。
 頭のどっかでそんな事考えながら、でも指は勝手に動いてた。
 もっともっと気持ち良くなるために。
 一生懸命声を出さないように我慢しながら。
「んぅぅ…はぁ…んん…」
 どんどん指が激しく動く。
「あっ…ぁぅ…ん…」
 おっきくて真っ白な波が襲ってきた。
 いつものように。
「…ぁ…ふぁ…や…やぁぁん…」
 身体がびくんって跳ねた。
 も、もういっちゃうぅぅ。
 その時だった。
「ただいまー」
 頭の中、真っ白だったのに、下から聞こえたおにいちゃんの声に、びくりと指が離れてしまったの。ほんとにもうちょっとだったのに。
 頭の中の霧が一瞬消えていくような感覚。
「はぁ、はぁ…ん…ぁ」
 でも、最後までイってない身体は、びくびく震えてる。ものすごく敏感になってる。
「…もぅ…」
 こんな中途半端じゃ困っちゃうんだから。
「…そうね」
 こうなったら、おにいちゃんにちゃんと気持ち良くしてもらわなきゃね♪
 あ、おにいちゃんが階段を上がってきた。
 慌てて布団の中に潜り込む私。
 でも、部屋の中が葉月の匂いで一杯だから、わかっちゃうかもしれない。それにいくらおにいちゃんが鈍感だからって、お布団が不自然に盛り上がってるわけだしね。
 それで、きっとおにいちゃんの事だから、ベッドまで近づいて来て小さい声で「葉月なのか?」って聞くよね。で、私は「違うよー♪」って言うの。そのうちおにいちゃんはしびれを切らして「だから葉月だろ!」って布団を剥ぎ取るわ。
 そしたら、私はおにいちゃんにささやくの。


「責任取ってよね、おにいちゃん…」ってね。


祝、50000hit!

 …って、本当は投稿するはずだったのに、ちょと個人的に落ち込んでて、時期を逃してしまいました(;_;) 大きな節目ですから、絶対投稿したかったのに。というわけで、55555hit記念というちょうど良い数字が来たので、記念投稿をさせていただきました_(__)_

 短めで、しかも本当は前回夢遊病の2話に出た沙耶のお話にするはずが、葉月になってしまうという不思議な状態に(^_^;) 沙耶が台所で悩んでいるとこのお話がほぼ出来ていたのになあ。もう、テンションが不安定な状態がいつまで続くことやら。
 いつも葵日向さんの「Pure Innocence」と比べちゃうんですよね。こういう風に書いてみたいなあって。でも、なかなかそうはいかなくて。昔からどうもこういう書き方ばかりで。もっともっと精進したと思ってます。
 ともあれ、悩み事がすっきりするまえに、次の60000hitと、70000hitがたぶん来ちゃうのですが、それまでにも少しカラ元気くらい出しておきたいですね。
 

 それから、きっと皆さんも楽しみにされている「Pure Innocence」の5話。
 私も心から楽しみにしてますです\(^o^)/

Writed by 和田ひろみ
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