「遅いなあ…」
窓の外はもう赤く染まってる。
しばらくすると、紺色が赤色を塗り潰して、どんどん暗くなっていくんだろうな。
「…もう!」
おにいちゃんが悪いんだからね。
早く帰って来ないから。
だからこんな事しちゃうんだからね。
「おにいちゃんの匂いがする…」
ちゃっかりとおにいちゃんのベッドの中に潜り込んでる私。
さっきまで自分のベッドにいたの。
でも、昼間の事思い出すだけで落ち着かなくなって、…その…我慢出来なくなって、おにいちゃんのベッドに潜り込んでるの。ちゃんと部屋には「寝てるから起こさないでね
by 葉月」ってかけておいて、お母さんにも「今日はもう寝るから」って言ってある。
「驚くよね、きっと」
さっき部屋に下着も置いて来ちゃった。
バスタオル1枚…これもおにいちゃんと部屋が隣り合ってるから出来るんだよね。そうじゃなきゃいくらなんでもばれちゃうもん。そのバスタオルも今は外しちゃってる。
昨日は薄暗かったから、葉月の事、ちゃんと見せられなかったけど、今度はちゃんと電気も付けてるし……あ、や、やっぱりちょと恥ずかしいかな。でも、おにいちゃんだからいいもん。もう葉月の全部…触られちゃってるから。
うわー、顔が熱くなってきちゃったよぉ。
のぼせちゃいそう。
おっきな枕に顔を伏せる。
「ふぅ…」
素肌に触れるお布団と、柔らかい枕の感触が気持ち良い。ここでおにいちゃんがいつも寝てるんだなあって思うと、もっと、ずっと…いいの。
「同じお布団なのに、なんでこんなに気持ち良いんだろ?」
おにいちゃんの匂いに包まれてると、身体全部がドキドキドキドキしてくる。。
「…おにいちゃん」
言葉にしてみた。
今の気持ち。葉月の胸の中を。
「あ…」
ビクンって…熱い…何か…震えだしてる。身体中、ふるふるって。
や、やだ。止まらない…。
どんどん熱くなってく。
葉月の大事な所もすごく熱くなっちゃった。
思わずもじっと太股を擦り合わせる。
「うわ…もうこんなに」
さっきは我慢出来た。
ちゃんとおにいちゃんに触ってもらうんだからって。
もうひとりエッチしないんだって。
でも、このままじゃ…。
「…ぁ…ふぅ…」
おかしくなりそう。
……ん。
…そ、そうだよね。
ちょっと…だけ。
ほ、ほらお布団に付いちゃうといけないから。
拭うだけ。
うん、そうだよ。
だからいいの。
「……ぁ」
ティッシュごしでもぬるりとする感触が指に伝わる。太股までこんなになってるなんて。と、とにかく急いで拭かな……あぅっ。
小指とティッシュがほんの少しだけ触れた。
葉月の大事なところに。
たったそれだけなのに。
「…い…いや…」
頭の中で一生懸命「触っちゃ駄目!」って言ってるのに、手が離れなくなっちゃった。ティッシュごしでもふるふるしてるのがわかる。熱いのをどんどん溢れさせながら。
もっとって言ってる。
さっきよりももっと強く触ってほしいって、身体が訴えてる。
「でも…」
・
・
・
くちゅ…。
水蜜の粘りつくような音が耳に届いた瞬間、私の手は勝手に動きだしていた。
「…ぁん…い…ぃ…」
ティッシュはもうぐっしょりと濡れちゃってる。丸めてくずかごに放り込む。もう止まらない。
人差指でそっと擦り上げる。
「あ……やぁ…」
自分でも何言ってるのかわかんない。
「ぁぅ…はぁ…」
気持ち良くて、どんどん頭の中ぼーっとしてくし、息も激しくなってく。
どうして?
いつもよりずっとずっと気持ち良いよぉ。
そんな考えもどんどん遠くに消えてっちゃう。
「あ、ああ…ぅ…」
声が大きくなっちゃうから、思わずうつ伏せになって顔を枕に埋めた。
「んぅ…ぁぁ…」
それでも声が漏れちゃう。そんな自分の声を聞いてたら、いつの間にか人差指と中指で大きく前後に擦り動かしてた。
すっごく厭らしい音がしてる。
くんっと自分でもわかるくらいの匂いもしてる。
どんどん溢れてきてる。
指を伝って、手首全部濡れてるんだもん。
おにいちゃんの布団まで伝って、きっとおっきな染みになってるよ。
でも、もういいの。
おにいちゃんのお布団に、葉月の匂いを染み付かせちゃうんだから。
頭のどっかでそんな事考えながら、でも指は勝手に動いてた。
もっともっと気持ち良くなるために。
一生懸命声を出さないように我慢しながら。
「んぅぅ…はぁ…んん…」
どんどん指が激しく動く。
「あっ…ぁぅ…ん…」
おっきくて真っ白な波が襲ってきた。
いつものように。
「…ぁ…ふぁ…や…やぁぁん…」
身体がびくんって跳ねた。
も、もういっちゃうぅぅ。
その時だった。
「ただいまー」
頭の中、真っ白だったのに、下から聞こえたおにいちゃんの声に、びくりと指が離れてしまったの。ほんとにもうちょっとだったのに。
頭の中の霧が一瞬消えていくような感覚。
「はぁ、はぁ…ん…ぁ」
でも、最後までイってない身体は、びくびく震えてる。ものすごく敏感になってる。
「…もぅ…」
こんな中途半端じゃ困っちゃうんだから。
「…そうね」
こうなったら、おにいちゃんにちゃんと気持ち良くしてもらわなきゃね♪
あ、おにいちゃんが階段を上がってきた。
慌てて布団の中に潜り込む私。
でも、部屋の中が葉月の匂いで一杯だから、わかっちゃうかもしれない。それにいくらおにいちゃんが鈍感だからって、お布団が不自然に盛り上がってるわけだしね。
それで、きっとおにいちゃんの事だから、ベッドまで近づいて来て小さい声で「葉月なのか?」って聞くよね。で、私は「違うよー♪」って言うの。そのうちおにいちゃんはしびれを切らして「だから葉月だろ!」って布団を剥ぎ取るわ。
そしたら、私はおにいちゃんにささやくの。
「責任取ってよね、おにいちゃん…」ってね。
…って、本当は投稿するはずだったのに、ちょと個人的に落ち込んでて、時期を逃してしまいました(;_;) 大きな節目ですから、絶対投稿したかったのに。というわけで、55555hit記念というちょうど良い数字が来たので、記念投稿をさせていただきました_(__)_
短めで、しかも本当は前回夢遊病の2話に出た沙耶のお話にするはずが、葉月になってしまうという不思議な状態に(^_^;) 沙耶が台所で悩んでいるとこのお話がほぼ出来ていたのになあ。もう、テンションが不安定な状態がいつまで続くことやら。
いつも葵日向さんの「Pure Innocence」と比べちゃうんですよね。こういう風に書いてみたいなあって。でも、なかなかそうはいかなくて。昔からどうもこういう書き方ばかりで。もっともっと精進したと思ってます。
ともあれ、悩み事がすっきりするまえに、次の60000hitと、70000hitがたぶん来ちゃうのですが、それまでにも少しカラ元気くらい出しておきたいですね。
それから、きっと皆さんも楽しみにされている「Pure Innocence」の5話。
私も心から楽しみにしてますです\(^o^)/